
まず買うことはないけれど、今後の参考のために築年数の古いマンションを見に行くことにした。

物件の担当者に会う
物件を担当する不動産屋さん(Tさんとする)によると、ほかにも内見の希望者がいて、私たちは2番目だという。最初の内見の人が隣の県から来る予定だったのだが、悪天候のためキャンセルし、私たちが最初に内見することになった。
内見したのは10月上旬の午前中。朝から雨が降っていて、気温は11月下旬並み。かなり寒い日だった。
マンションの近くでTさんと合流し、一緒に物件に向かう。私たちのあとにも内見の希望者がいるという。営業トークかもしれないが、実際人気の場所なので、希望者がほかにもいるのは嘘ではないかもしれない。
マンションの内見
雨の中、目的のマンションに到着。
持ち主のご主人は不在だが、上品な奥様が出迎えてくれた。部屋に入ってドアを閉めると、暖房を入れているわけでもないのに暖かい。季節外れの寒さだっただけに、それだけで自分の住んでいるアパートとの暖かさの違いを実感。マンションてあったかくていいな、と思ってしまった。
各部屋と設備についてもいろいろ説明してもらい、かなりいろんなところがリフォームされていると知った。もともと和室ありの3LDKだったのだが、いま住んでいる人たちの前の持ち主が2LDKにして、すべてフローリングにしたのだそう。築年数は古いものの、中はきれいで快適そうだ。
収納スペースが少ないところが気になるけれど、全体の雰囲気はよく、見るだけのつもりだったのに、けっこう気に入ってしまった。どうやら夫も同じらしく、こちらからも質問したりして、すっかり本気モードに。
中古マンションの場合、修繕積立金にゆとりがあるか、大規模修繕が計画的に行われているか、などもチェックしなければならないらしいのだが、その点についはTさんの方から説明があった。また、小さな修繕(各戸のドア)などもきちんとなされているとオーナーの奥様のお話もあり、それについては安心のようだった。
内見が終わり部屋を出ると、Tさんが車を玄関に回してくるということで夫婦2人きりになった。そこでちょっと話をしたら、2人ともこの物件にかなり惹かれているということがわかった。
その後、Tさんと合流し「物件が気に入ったなら交渉権を得る書類があるので、このあとその書類にサインをしに(不動産屋の)事務所に来てください」と言われた。交渉権を得ると、Tさんんがマンションのオーナーに、購入の交渉、つまり仲介をしてくれるということらしい。交渉権がなければ、Tさんは次の希望者の内見をすすめることになる。
正直、見に行くまでまったく買う気がなかったので、突然の話に戸惑ったのだけれど、あくまでも交渉権であり、購入の契約書ではないということなので、とりあえずその書類にサインすることにした。
事務所について、いろんな説明を聞いたうえで、夫が書類にサインするのが怖くなり、1日だけ伸ばしてもらうことにした。交渉権とはいうけれど、もし実際は契約書だったとしたら、と不安になったらしい。Tさんが了承してくれたので、そこでは説明を聞くだけにして、事務所をあとにした。
再度おみくじをひきにいく
急な展開に期待と不安が入り混じり、私たちは夏、おみくじをひいた神社にもう一度おみくじをひきにでかけた。寒い日で、行きたくはなかったのだが、この中古マンションを買っていいのかどうかヒントがほしかった。
夏にひいた私のおみくじは、転居は“急がずにすればよい”ということだった。以前来たときから一月半くらいはたっているので、私はひきなおさず、大凶を出した夫だけがひくことにした。
そして夫のひいたおみくじは吉で、肝心の転居の項目は“よくない”だった。やっぱりこの物件を買うのは間違いなのか?!と思いつつ、あきらめきれない私たちはもう1回ひいてみることにした。最初のおみくじが、お金を入れて箱から取り出すタイプだったので、2回目は巫女さんにお金を渡して木の箱から番号が出る昔ながらのおみくじにしたいと私が主張した。その方がきちんとしている感じがするし。
ところがそとのきはもう夕方で、社務所も社務所ももう閉める時間だったらしく、おみくじをひきたいと言ったら、箱から自分で取り出すタイプをすすめられてしまった。ショック!
夫はそれでいいというので、同じタイプのおみくじをひいたところ、出た結果は末吉で、転居については“何処(どこ)でも早い方がよい”と書かれていた。つまり、ふたつひいて、まったく違うことが書いてあった。
自分たちの気持ちは?
ここまで来たら、結局自分たちの意志で決めるしかない。そもそも、なぜわざわざ寒い中、おみくじをひきにきたのかというと、物件は気に入って買いたいけれど不安だ。つまり、買いたいということ。
おみくじの結果は両極端だったけれど、自分たちの気持ちがはっきりしたので、翌日、交渉権を得るための書類にサインをした。
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