いまは少しでも、ものが少ない生活をしたいと思っているが、以前はまったくそんなことを考えていなかった。
実家から上京してきてまもない頃
実家から上京して数年ほどは、着なくなった服や読み終えた本など、すべて実家に送っていた。ものを捨てるという概念がなかったからだ。
本は実家に帰ったときに自分で読み返すこともあったし、漫画は妹が喜んで読んでいた。洋服は好みのものがあれば妹が着ることもあった。だから、なにも考えずに、たまったら送っていた。
捨てるという概念がなく実家にものを送りつけ、ものを捨てるという罪悪感を感じる行為はしていないので、深く考えずにものを買い、飽きたら実家に送り、また違うものを買うことを繰り返していた。
しかし、そんなことを繰り返していると、一人暮らしの自分の家にものは増えなくても、実家に着ない洋服がどんどん増え、本棚も圧迫していく。
誰もそれを処分するわけではないので、こんなことをいつまでも続けていてもしょうがない、ということに何年かして気づいた。
いま思えば、私はごみを送料をかけて、実家に移動させていたのだ。それに気づいてからは、不要になったものを実家に送ることをやめた。
引越は、ものを処分するきっかけになった
一人暮らしの時に数回、引越を経験している。一番最初の引越の時にはさほどものはなかった気がするが、その後少しずつものが増えていった。
引越の時にはすべてのものをダンボールにつめなければいけないので、当然ものは少ないに限る。
なので引越をするたびに、いらなくなった本やもらいものの置物などは少しずつ処分できるようになっていった。
最初は人からもらったものを捨てるなんて、と思っていたが、いままでありがとう、と声をかけてから、えいっ!という気持ちで処分していた。
思い切って処分できるようになったきっかけの本
数回の引越しにより、少しずつものを処分できるようにはなっていたが、それでもまだまだ不用品を抱え込んでいた。
あるとき、Amazonで1冊の本を見つけ、レビューを読んだ。その本を知ったきっかけはまったく思い出せないのだが、とにかくみんなのレビューを読んでいるだけで自分も早く部屋に帰ってものを捨てたい、という気持ちになってきた。
その本がこれ。
筆者は必要のないものを「ガラクタ」と表現している。それを処分し、滞っているエネルギーの流れを活性化させれば、新たな幸運が舞い込んでくる、という内容だ。
いまでこそミニマリストとか断捨離とかいう言葉が普通に使われていて、いろんな本が出ている。でも、私がこの本を読み始めた十数年前は、そんな言葉は聞いたことがなかった(と思う)。
この本を読んで、そうか、使えるものでもいらないものなら処分してもいいんだ、ということをはじめて知り、いままで手放せなかったものを処分することができた。
このとき手放したもの
- 10年以上前に買ったスキーウエア(今後スキーには行かないだろうし、もし行ったとしても流行遅れで着られないと思いつつ、高かったので捨てられなかった)
- ワインのデキャンタグラス(人からもらったものだが面倒で使ってなかった)
- ギターのアンプ(ほんの一時期練習用に買ったもの。しかしこのときはギターは手放せず)
- ロングブーツ(買ったもののきつすぎて履いていなかった)
- 圧力鍋(退職のとき自ら希望して買ってもらったものの、面倒で一度も使っていなかった)
- 都市ガス用ガステーブル(以前使っていたのだが、次の引越し先がプロパンガスの住まいで使えなかった)
これらは近くのリサイクルショップに持っていった。
そのほか、リサイクルできない多くのものは45リットル入りのゴミ袋にどんどん入れて、数袋分は捨てた。
机の引き出しや押入れの中からいろんなものを処分し、少しずつ家の中がすっきりしていき、そのゴミを収集日に出せるのが嬉しくてしょうがなかったことを覚えている。
ちなみに、上記の本はいまは新装版が出ている。
いまは写真なども豊富でわかりやすいミニマリスト系の本が数多く出ているので、それに比べると文字だらけのこの本はそれほど面白く感じないかもしれない。風水的なことも書いてあって、若干?な部分もあるし。
ただ、私が思い切ってものを捨てられるようになったきっかけの本であることは間違いない。今度は新装版を書店で見てみたいと思う。
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